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2023.03.03

StockBase

ニュース


自然災害時などに備え保管される水や食料を「備蓄食」と呼びます。しかしこの備蓄食にも当然ながら賞味期限があり、使用されないまま廃棄されてしまうこともしばしば。

武蔵小杉スクエアさんでも賞味期限を目前にした大量の備蓄品を抱えておりましたが、これらを必要としている方々へマッチングしてくれたのが株式会社StockBaseさんでした。

2022年5月に「備蓄食の有効活用マッチング」として水やパン、レトルト食品など段ボール42箱分の備蓄品が、多摩区応援プロジェクトや一般社団法人スポーツメイトへ提供されています。

廃棄されてしまう物を、必要とする人・団体へ“マッチング”し有効活用を図る株式会社StockBase。学生ながらも事業を運営する関さん・菊原さんに、起業のきっかけや事業内容、取り組みに対する想いをお伺いしました。

■起業のきっかけ

 

関さん:企業内で余っている営業用のカレンダーを高齢者施設に運ぶというボランティアを経験し、自分達には必要ないと思っていた物が高齢者の方にとっては需要が高く、喜んでいただけることを知りました。本来だと廃棄されてしまう物でも、世の中には必要な人がいるかもしれない。そこで、物を無駄なく必要な場所に循環する仕組みを作りたいという風に思ったのがきっかけです。

カレンダー以外にも、企業で廃棄されている物って何だろう?と考えた時に備蓄食に辿り着き、そこから備蓄食を主軸としてモデルを考えるようになりました。このアイディアは複数のコンテストで賞をいただきましたが、それで終わりではなく世の中に出し、目の前の課題を解決したいというところで事業化を決めました。

 

菊原さん:事業をやるにはタイミングもあると思うので、やるとしたら今しかないなと思いました。ただ大学の授業と両立するのは難しい部分があったので、一旦休学をしてこの事業をやろうと決めました。

もともと起業がしたかったと言うよりも、こういった課題があることを知り「これをどうにかしたい」という想いで責任感が出たのがきっかけです。

■事業内容

 

菊原さん:企業内で廃棄される物を、地域の中で欲しい方に届ける有効活用のマッチングをしています。最初はカレンダーから始まったのですが、カレンダーは季節性が高いので通年でやるのは難しいというところから、備蓄食に目を付けました。備蓄食の他にも、未使用品に限りですがマスクやアルコール消毒、イベントで余ったノベルティなども扱っています。「誰もいらないだろう」と思っていた物にでも必要な方がいらっしゃることに気付き、需要と供給のマッチングができるなと感じました。

主軸としているのが備蓄食なのですが、こちらは圧倒的に需要過多で、サイトの掲載期間が2週間のところでも最短で30分でなくなるようなこともあります。

■活動エリア・地域貢献について

 

関さん:エリアとしては東京・神奈川をメインに活動していますが、基本的に地域での循環を意識してやっています。なので、例えば武蔵小杉エリア内であれば武蔵小杉にある団体とマッチングするということも可能ですし、川崎市内で我々のプラットフォームに登録してくださる団体してくださる団体もいらっしゃるので、そこはもっと強化して、地域でマッチングしていけるようにと思っています。そうすることで地域貢献という点の他にも配送費や配送にかかるCO2の削減にもなりますし、地域の活性化というメリットにも繋がると思っています。

 

菊原さん:マッチングした企業・団体がボランティア活動を知りたいというケースがあります。ボランティア団体は人がいないということで悩まれているので、そういった部分でも企業や団体を繋ぐ役割をし、地域貢献に繋げていければと思います。

 

■これまでに行ったイベント

 

菊原さん:消費者向けに備蓄食を普及する為、2022年9月1日(防災の日)に横浜髙島屋さんとコラボして「備蓄食ってこんなにおいしいフェア~備蓄食が生み出す、新たな価値~」を実施しました。アルファ米や乾パンから作ったビール、ティラミスに乾パンを使うなど、備蓄食をアレンジして販売するといったイベントです。

私たちが普段行っている備蓄食の寄付ですが、備蓄食を貰った人の中には貧困を再認識してしまうケースがあります。もっと普通に備蓄食を食べるという習慣があれば良いなという想いから、このイベントを企画しました。

ここで販売されていた物は備蓄食だということがわからないくらい美味しかったし、捨てられてしまう物を活用するということで、とてもサステナビリティな取り組みだったと思います。

 

関さん:普段は消費者の方のお顔がなかなか見られないので、ダイレクトに反応を見られる良い機会でした。今後もこうしたイベントなどを通し、最終的に手に取る方の反応が見たいなと思います。


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横浜髙島屋さんでのコラボイベントの様子


■今後の展望

 

菊原さん:企業や団体のマッチングだけでなく、フードドライブなどといった活動を通し、一般消費者と商業施設などを繋ぐサポート役として入っていければ良いなと思っています。また、備蓄食以外の食品にもカテゴリーを広げていきたいとも考えています。メーカーが出されている飲料やお菓子など、売れないけど賞味期限がまだあるような物の「最後の砦」になるようなところを目指したいと思っています。

 

関さん:目の前の課題を見つけ解決に向かい、それが解決できたら次の課題を設定していくというのを、これからも社内の共通認識として持っていきたいと思います。

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左:代表取締役の関芳実(せきよしみ)さん

右:取締役の菊原美里(きくはらみさと)さん

 

株式会社StockBase

https://www.stockbase.co.jp/

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